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木曜ミステリー概略 前史~木曜20時時代劇、火曜21時へ移動、そして出戻り

1982年4月から安定した人気を誇っていた
木曜20時、高橋英樹の「遠山の金さん」だったが、
1985年9月で一旦終了。1985年10月からは火曜21時に移り
引き続き高橋英樹でタイトルが「遠山の金さんII」となる。


この奇妙な措置は1985年10月に鳴り物入りで開始した
平日22時(当時は金曜のみ23時)の
「ニュースステーション」が起因している。

当時は意外とテレビ朝日の平日22時台は人気番組が多かったので、
概ね移動して継続している。
月曜21時から2時間サスペンスの「月曜ワイド劇場」は1時間繰り上げ。
水曜22時の「特捜最前線」は木曜21時に。
木曜22時の「愛川欣也の探検レストラン」は土曜19時30分に。
木曜22時30分の「美女紀行・E湯・E味」は日曜18時30分に。

問題は火曜22時である。
1985年9月の時点では同年4月からはじまった「パーティー野郎ぜ!」だったが
不人気で9月で終了している。
だが、これは大阪・朝日放送の制作枠で、
前番組は長年続いた「プロポーズ大作戦」である。
そのまま枠返上ということには当然ならず、
朝日放送のバラエティ枠として移動することになるのだが、
これが何故か木曜20時に来ることとなり、
「金さん」は火曜21時になった。

素人考えでは火曜21時でいいじゃないかという感じなのだが、
当時の火曜21時といえば
フジテレビのクイズ番組「なるほどザ・ワールド」が世帯視聴率20%台、
日本テレビの「火曜サスペンス劇場」も10%台後半くらいで
おそらく朝日放送のバラエティでは勝ち目がないと思ったのだろう。

またテレビ朝日の火曜21時も
1982年4月に長年続いた時代劇枠が終了してから
音楽番組や、萩本欽一のバラエティ、石原プロのドラマ「ただいま絶好調!」と
迷走しており、やっぱり時代劇なら勝算があるという判断だったのでは。

しかし「ニュースステーション」は当たったが、この大移動がことごとく失敗。
木曜20時だった「遠山の金さん」は13%程度あったが
火曜21時の「遠山の金さんII」になり、そこまで悪くないが平均9%台に。

これが1年で終了し、同じく東映京都のスタッフ&高橋英樹で
京都の町医者のドラマ「京都かるがも病院」という現代劇になったが
平均5%台しか穫れなかった。
東映京都の現代劇という意味では木曜ミステリーと同じ要素ではあるのだが
この時は上手くいかなかった。
ファミリー劇場で10年ほど前に再放送されていたが、
ちょっと主題歌などが辛気臭い感じではあった。

更に問題なのは木曜20時ではじまった朝日放送の「極楽テレビ」。
島田紳助らのお笑いバラエティ番組だったが
初回で世帯視聴率2.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を
叩き出しわずか5回で終了。平均視聴率は4.0%。
その後、リニューアルした「爆笑!!ライブハウス」も
元々つなぎだったのか12月末で終了。
その後は「女ひとり旅」「テーマはおんな」「テーマはおんな・旅情編」と続いたが
視聴率は上向かなかった。

また先述の22時台にいた番組群も移動先で苦戦。
そこで1年半後の1987年4月の大改編につながる。
おそらくこの時のテーマはなるべく曜日を元に戻すということ。
水曜22時から木曜21時に来た「特捜最前線」は終了になったが
東映テレビプロ、日産提供の刑事ドラマ枠としては
2022年現在でも続く水曜21時に。

木曜21時は「特捜最前線」以前は刑事ドラマではないドラマ枠だったが
それも復活。
(直前とのつながりでは、「月曜ワイド劇場」が解体されて
1986年10月にはじまった1時間のオムニバス枠「月曜ドラマ9」の移動)

土曜19時30分は1985年9月までドラマ「あばれはっちゃく」枠だったが
1987年4月からは同じく国際放映の連ドラ枠に。

こういった具合に、件の
火曜22時から来た木曜20時の朝日放送のバラエティ枠は火曜21時に。
木曜20時から来た火曜21時の東映京都枠は木曜20時に交換して戻ることになった。

すみません、本当はこの「前史」で終わるはずだったのですが
火曜21時時代が長くなったので、一旦ここまで。次もあります。
次は「直前史」ということで
1987年4月~1998年12月の木曜20時枠について書きます。



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